マウスピース矯正の気になる痛み!痛いと感じるときの対処法も
こんにちは。千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」です。
マウスピース矯正を検討されている方にとって、審美性や痛みの有無は気になる要素のひとつではないでしょうか。従来のワイヤー矯正と比較して痛みが少ないと言われているマウスピース矯正ですが、実際には痛みを感じる場面があることも事実です。
本記事では、治療開始前に痛みの原因や対処法を解説していきます。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを定期的に交換することで、歯を徐々に理想の位置に移動させる治療法です。装置が薄く透明なので見た目の変化が少なく、周囲の人に気づかれにくいという特徴があります。
治療期間は、歯並びの状態や治療範囲によって大きく異なります。軽度の歯並びの乱れであれば半年から1年程度、中程度から重度の場合は2〜3年程度の期間が必要とされています。
マウスピース矯正は痛い?
マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べると痛みは少ないと言われていますが、全く痛みがないわけではありません。特に、新しいマウスピースに交換した直後の2~3日間は、痛みや違和感を感じる方が多いです。
この痛みは、歯がきちんと動いている証拠でもあり、治療が順調に進んでいることを示しています。
痛みを感じる主なタイミング
新しいマウスピースに交換した直後が、もっとも痛みを感じやすい時期といえるでしょう。装着時間が不足した後にマウスピースを装着する場合や、治療初期の段階も痛みを感じやすいです。
なお、食事の際に硬いものを噛むときや、マウスピースを外す際にも軽い痛みを感じる場合があります。
痛みの種類と特徴
マウスピース矯正で感じる痛みには、いくつかの種類があります。もっとも一般的なのは歯の移動に伴う痛みで、歯が新しい位置に移動する際に感じる鈍い痛みです。
また、マウスピース装着時の歯茎の圧迫感も痛みとして感じる方もいるでしょう。マウスピースが歯茎に当たることで感じる痛みや、治療途中に起こる噛み合わせの変化によって痛みを感じる場合もあります。
痛みの持続期間
痛みの感じ方には個人差があります。一般的に、痛みに敏感な方や初めて矯正治療を受ける方は、より強い痛みを感じる傾向があるでしょう。
しかし、ほとんどの場合、新しいマウスピースに交換してから2~3日程度で痛みは軽減し、1週間程度で完全に慣れることが多いです。治療を続けていくうちに痛みに対する慣れも生じ、後半の治療期間では痛みを感じにくくなる方が多いでしょう。
ただし、痛みが強くなったり鎮痛薬を服用しても痛みが解消されない場合は、問題が生じている可能性があります。
マウスピース矯正中に痛みがあるときの注意点
アライナーでの歯列矯正で、痛みや違和感を感じる方もいます。万が一、痛みを感じた際には以下の注意点を確認するようにしましょう。
痛み止めは一時的な使用に留める
マウスピース矯正中の痛みに対して、痛み止めの使用は一般的に問題ありません。
ただし、長期間痛みが続く場合は、トラブルが生じている可能性があるため速やかに歯科医院に連絡するようにしましょう。トラブルが生じていた場合、痛み止めの服用では原因を改善できません。歯の移動に影響を与える可能性もあるでしょう。
痛み止めの使用頻度や期間については、歯科医師と相談することが重要です。
装着時間を確認する
痛みがあると、痛みを理由に適切な装着時間を守らずに装着時間が不足する方が少なくありません。
しかし、装着時間が不足すると歯が計画通りに移動しないため痛みが解消せず、治療効果を大幅に低下させる原因にもなります。歯の移動に伴う痛みは徐々に和らいでいくため、様子をみながら適切な装着時間を守ることが大切です。
自己判断での装着中断は避ける
痛いからといって自己判断でマウスピースの装着をやめることは避けましょう。装着時間が不足して計画通り歯が動かなくなる恐れがあります。
治療期間の延長や理想の歯並びにならない原因となるため、耐えられないほどの痛みでない限り、指示された装着時間を守ることが重要です。
歯科医院に連絡する
痛みには、通常の矯正治療に伴う痛みと区別すべき危険な痛みもあります。激しい痛みが1週間以上続く場合や、歯茎に腫れや出血がある、発熱や頭痛を伴う、マウスピースが浮いて合っていないなどの場合は注意が必要です。
これらの症状は、感染症や治療計画の見直しが必要な状態を示している可能性があります。
マウスピース矯正中に痛いと感じるときの対処方法
痛みが続く場合でも、適切な対処をおこなうことでスムーズに治療を進められるかもしれません。以下に、痛みが生じた場合の対処法を解説します。
冷却する
マウスピース矯正で痛みを感じた際、冷却療法が効果的です。痛みを感じる部分に氷袋や冷却パッドを当てることで、炎症を抑制し痛みを軽減できます。
ただし、直接氷を当てたり長時間冷やしたりすることは避けましょう。冷却する際は、タオルなどで包んで冷やしすぎないようにしてください。
前のマウスピースを使用する
新しいマウスピースに交換して強い痛みが消えない場合は、ひとつ前のマウスピースに戻すことも有効な手段です。
ただし、この対処法は、自己判断でなく歯科医師の指示に従って行ってください。自己判断での変更は治療計画を狂わせるリスクがあります。
また、新しいマウスピースに慣れるまでの期間は、装着時間を調整し段階的に延ばしていく方法も有効でしょう。装着時間の調整も、かならず歯科医師に確認してから行ってください。
食事内容を工夫する
マウスピース矯正中の痛みを軽減するためには、食事内容を工夫することも重要です。治療初期や新しいマウスピースに交換した直後は、歯に大きな力が働くため刺激に対して敏感な状態になります。
硬い食べ物や粘着性のある食べ物を避け、柔らかい食べ物を選ぶようにしましょう。おかゆ・うどん・豆腐など簡単に噛める物を選ぶと痛みが出にくいです。また、極端に冷たいものや熱いものも避けたほうが良いでしょう。
正しい装着・取り外し方法を習得する
マウスピースの装着・取り外し時の痛みを軽減するために、正しい方法を身につけることも大切です。装着時は、奥歯から前歯に向かって順番に装着し、両手の指でしっかりと押し込みます。取り外し時は、奥歯から指をかけて、左右同時にゆっくりと外します。
無理に引っ張ったり、片側だけで外そうとすると痛みが増加する可能性があります。
生活習慣の見直し
マウスピース矯正中の痛みを軽減するためには、生活習慣の見直しも重要です。十分な睡眠をとることで、身体の治癒力を高め、痛みを軽減できる可能性が高まります。
また、ストレスは痛みを増大させる要因となるため、リラクゼーション法やストレス発散方法を見つけることも大切です。適度な運動は血行を促進し、歯の移動を促進する効果も期待できるでしょう。
定期検診を受ける
マウスピース矯正中は、定期的な歯科検診を受けることが重要です。通常、1〜2か月ごとに来院して治療の進行状況をチェックします。痛みの状況や装着時間・口腔内の状態など確認しながら、必要に応じて治療計画の調整をおこないます。
検診を怠ると、問題の早期発見が困難になり、治療期間の延長や追加治療が必要になる場合もあるでしょう。また、痛みがあった場合は、状況を詳しく報告し改善点がないか積極的に相談しましょう。