こんにちは。千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」です。

入れ歯は、失った歯の機能や見た目を補うために多くの方が利用している重要な装置です。

しかし、天然の歯と違い、正しい手入れを行わなければ、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。

例えば、汚れが蓄積すると口臭や感染症の原因になるだけでなく、入れ歯自体の劣化にもつながります。さらに、口の中の健康は全身の健康にも密接に関係しているため、日々のケアを怠ることは思わぬ体調不良を招くこともあります。

今回は、入れ歯を衛生的かつ快適に使い続けるためのお手入れ方法や注意点について、わかりやすく解説していきます。

入れ歯をお手入れせずに使用し続けるリスク

入れ歯は、毎日の食事や会話などで使われるため、常に清潔に保つことが求められます。

しかし、お手入れを怠って使い続けると、口の中だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。ここでは、入れ歯をお手入れせずに使い続けるリスクについて解説します。

口腔内の感染症が起こりやすくなる

入れ歯の表面や細かい部分には、食べ物の残りや細菌が付着しやすく、それを放置すると雑菌やカビが増殖してしまいます。

こうした状態が続くと、口内炎やカンジダ性口内炎などの感染症を発症するリスクが高まります。特にカンジダ菌は、免疫力の低下した方にとって大きな脅威となり、口の粘膜に白い膜ができたり、痛みを伴う症状が現れたりします。

日常的に入れ歯を清潔に保つことが、これらのトラブルを未然に防ぐ鍵となります。

口臭が発生する可能性がある

入れ歯の清掃を怠ると、食べかすや細菌が残留し、悪臭の原因となるガスを発生させることがあります。特に入れ歯の裏側や歯ぐきとの接触面は見落とされやすく、気づかないうちに強い口臭が発生することもあります。

口臭は自分では気づかないことも多く、周囲に不快感を与える可能性もあるため注意が必要です。

入れ歯の劣化や破損につながる

入れ歯の清掃を怠ると、表面に付着した汚れや細菌が素材を傷め、変色や劣化を引き起こすことがあります。また、プラークが石灰化して歯石になると、洗浄だけでは落とせず、物理的に削る必要があります。

さらに、適切なケアをしていない入れ歯は、ひび割れや歪みを起こしやすく、装着時の違和感や使用中の破損に繋がる恐れがあります。入れ歯の寿命を延ばすためにも、日々の丁寧なケアが欠かせません。

全身の健康に影響を及ぼすことがある

口の中の衛生状態は、全身の健康とも密接に関わっています。

入れ歯の清掃を怠り、細菌が繁殖すると、特に高齢者では誤嚥性肺炎のリスクが高まります。これは、口腔内の細菌が唾液や食べ物と一緒に気管へ入り、肺に感染を引き起こす疾患で、命に関わるケースもあります。

入れ歯を清潔な状態に保つことは、単に口腔トラブルを防ぐだけでなく、健康寿命を延ばすためにも重要な生活習慣のひとつといえるでしょう。

入れ歯のお手入れの基本

入れ歯を清潔に保ち、長く快適に使い続けるためには、毎日の正しいケアが欠かせません。ここでは、基本となるお手入れのポイントについて解説します。

毎食後に入れ歯を外して洗う

食事を終えたら、その都度入れ歯を外して洗浄する習慣をつけましょう。入れ歯の内側や噛み合わせの部分には、食べ物のカスが残りやすく、そのままにしておくと細菌が繁殖してしまいます。外出先などで洗うのが難しい場合でも、帰宅後には必ず洗浄してください。

専用のブラシを使用する

入れ歯を洗浄するときには、入れ歯専用のブラシを使うとよいでしょう。通常の歯ブラシでは毛の硬さや形状が合わず、入れ歯の表面を傷つける可能性があります。

専用ブラシは、凹凸や細かい部分にフィットしやすく、効率的に汚れを落とせるよう設計されています。強くこすりすぎず、優しく丁寧に磨くことが、入れ歯の寿命を延ばすポイントです。

入れ歯用の洗浄剤を使用する

日々のブラッシングに加えて、入れ歯用の洗浄剤を併用することで、見えない細菌やにおいの原因物質を除去することができます。洗浄剤は水に溶かして入れ歯を一定時間浸けておくだけで、手軽に洗浄・除菌が行えるのが特徴です。

毎日でなくても週に数回の使用を心がけることで、より衛生的な状態を維持できます。使用後は水でしっかりすすぐことを忘れないようにしましょう。

就寝前には必ず入れ歯を外す

入れ歯を装着したまま寝ることは、口腔内の粘膜に負担をかけるだけでなく、細菌の繁殖を助長する原因にもなります。眠る前には必ず入れ歯を外し、水に浸けて保管しましょう。これにより歯ぐきを休ませることができ、口内炎や痛みの予防にもつながります。

入れ歯のお手入れをするときの注意点

入れ歯を正しくケアするためには、やってはいけないポイントを知っておくことも大切です。誤った方法でお手入れをすると、入れ歯やお口に悪影響を及ぼす可能性があります。

歯磨き粉を使用しない

一般的な歯磨き粉には研磨剤が含まれており、それが入れ歯の表面を傷つける恐れがあります。表面に細かな傷ができると、そこに汚れや細菌が入り込みやすくなり、結果として不衛生な状態になってしまいます。

入れ歯を洗うときは、歯磨き粉は使わず、専用のブラシと水、または入れ歯用洗浄剤を使用することが望ましいです。

熱湯を使用しない

入れ歯の素材は熱に弱く、熱湯で洗ったり浸けたりすると、変形やひび割れが生じる可能性があります。見た目には問題がなさそうでも、わずかな歪みが装着時の違和感や痛みの原因になることがあります。

洗浄の際は常温の水やぬるま湯を使うようにし、熱湯の使用は避けましょう。

優しく扱う

入れ歯は見た目以上に繊細な構造をしており、力を入れて磨いたり、不意に落としたりすると、破損や変形につながる恐れがあります。洗浄時には、洗面台に水を張ったりタオルを敷いたりして、万が一の落下に備えると安心です。

適切に保管する

入れ歯を外したあとは、必ず水に浸けて保管することが大切です。乾燥した状態で放置すると、入れ歯が反ったり割れたりする原因になります。保管する際は、専用の入れ歯ケースを使い、直射日光を避けた清潔な場所に置くようにしましょう。

また、保管中の水も毎日交換し、ケース自体も定期的に洗って清潔な状態に保つことが大切です。

定期的に歯科医院でチェックを受ける

入れ歯は時間の経過とともに、使用者の口の形に合わなくなっていくことがあります。そのため、定期的に歯科医院でチェックを受けることが大切です。プロの目で確認してもらうことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

入れ歯をお手入れするときに使用する道具

入れ歯を清潔に保ち、快適に使い続けるためには、専用の道具を正しく使うことが大切です。ここでは、入れ歯のお手入れに欠かせない基本的なアイテムをご紹介します。

入れ歯専用のブラシ

入れ歯の汚れを効果的に落とすためには、入れ歯専用のブラシを使うのが理想的です。

通常の歯ブラシとは異なり、入れ歯の形状に合わせた設計になっているため、細かい溝や裏側の部分にも毛先が届きやすくなっています。また、毛の硬さも調整されており、入れ歯の表面を傷つけにくいのが特徴です。

毎日の洗浄には、この専用ブラシを使って優しく丁寧に磨くことが大切です。

入れ歯用の洗浄剤

入れ歯を清潔な状態に保つためには、定期的に入れ歯用の洗浄剤を使用することも大切です。洗浄剤には錠剤タイプや液体タイプがあり、水に溶かして入れ歯を浸けることで、目に見えない汚れや細菌、においの原因物質を取り除くことができます。

保管用のケース

入れ歯を外したときには、専用のケースで保管することが大切です。ケースを使うことで、入れ歯が乾燥して変形するのを防ぎ、またホコリや汚れから守ることもできます。保管中は水を入れた状態にし、ケース内の水は毎日取り替えることで、衛生的に保つことができます。

まとめ

入れ歯は、失った歯の機能を補い、日常生活を快適に過ごすために欠かせない存在です。

しかし、お手入れを怠ると、口腔内のトラブルや入れ歯の劣化、さらには全身の健康にまで悪影響を及ぼすことがあります。毎日の洗浄や専用の道具を使ったケア、そして定期的な歯科医院でのチェックを続けることで、入れ歯を清潔な状態に保ち、長持ちさせることができます。

快適で健康的な生活を送るためにも、入れ歯のお手入れは日々の習慣としてしっかり取り入れていきましょう。

入れ歯を検討されている方は、千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院では、マウスピース矯正やインプラント、一般歯科、予防歯科、審美歯科など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、Web診療予約も受け付けております。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください。